日本のジャズシーンを演奏・教育・執筆・国際交流といった様々な面で支えて来た、アルトサックス奏者・大山日出男。

今回は、片倉真由子(pf)，伊藤勇司(b)，広瀬潤次(ds)をメンバーに迎え、自身のカルテット７作目となるリーダーアルバムをリリース。制御の行き届いた技巧を活かし、動と静のあいだを縦横無尽に疾駆するダイナミックなプレイは、長年シーンを走り続けてきた音楽家としての経験と実績に裏打ちされている。

​そのサクソフォニズムに於いて、円熟の境地に達しつつある大山だが、いまなお歩みを止めず、新たな音楽的地平の切り拓きに前のめりであるさまが、このアルバムを通してはっきりと看取されるに違いない。